選挙に行こう

衆議院が解散され総選挙となります。
消費税、憲法問題、基地問題、外交問題、医療・福祉、教育、etc...
様々な政治課題が争点となるのでしょう。
どのような政策を候補者が掲げるのか、できるだけ吟味して誰に国政を担ってもらうのかを考えたいです。

さて、選挙のたびに指摘されることに、若年層の低投票率があります。
実際に、世代別の投票率を見ると、特に20代、30代の投票率が低いことがわかります。
衆議院議員総選挙年代別投票率の推移
もともとこれらの世代の有権者数は他の世代に比べて少ないので、実際に投じられている票数は投票率の違い以上に少なくなることになります。

我が国は子育てにお金をかけない国だ、と言われます。
〈参考〉
「諸外国の子育て支援の取り組み」
「新しい子ども・子育て支援制度について(内閣府)」

でも、先の投票率を勘案すると、やむを得ないのかも知れません。
子育て世代の中心となる20代、30代、40代と投票率が低く票数も少ないのですから、これらの世代の要求が施策に反映されるというのは考えにくいですよね。

政治は、国民から集めた税金を再配分する、という機能を持ちます。
この再配分機能が適切に働くことで、様々な格差が是正されることを期待できます。
再配分先は再配分を必要とする分野になるわけですが、「この分野に再配分してくれ」という要求を国民の声により政治に伝えていく必要があります。
声を伝える方法は、請願や陳情であったり、メディアを通じて世間に訴えたり、啓発活動を通じて多くの方に知ってもらったりと、様々です。
そして投票行動、すなわち「選挙に行く」ことも、大きな手段の一つです。
若年層の投票率が低い、ということは、この「この分野に再配分してくれ」の要求を伝える重要な機会を自ら放棄していることといえます。

私が陳情などをする際にしばしば言われるのが、「子育て支援は票にならないんだよね…」というものです。
政治家の方々も、我が国の子育て支援の実情は重々承知であり、何とかしなくてはと考えている方も少なくありません。
しかし、その分野で活動しても、実際には選挙時の得票数にはつながらない、結果として選挙で落選してしまう…。
実際に、予防接種法改正を始め、子育て分野に多大な尽力をされた議員の方が、選挙で苦戦する姿を何度も見てきています。

子育て支援に取り組めば、選挙でも勝てる!!
そんな状況を作り出すことができれば、先の「子育てにお金をかけない国」という姿も変えることができるのではないでしょうか。
政治は、自分たちの生活、子育てなどとは遠い世界だ、と感じているとしたら、そのような状況を生み出しているのは私たち子育て世代の「低投票率」なのかもしれません。
「国」や「政治」が、私たち国民や有権者と無縁に存在するわけではありません。
私たちの行動の結果が、「国」であり「政治」なのです。

自分たちのためにも、子どもたちのためにも、ぜひとも「+Action!」選挙に行きましょう!

・・・・この記事は、高畑が「ムコネットTwinkle Days 命耀ける毎日 稀少難病と向き合う患者家族と理解者たちの輪番日記」に投稿したブログ記事を編集したものです。
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風疹対策と、田村大臣発言と、日本版ACIPと

私も輪番の担当の一人として記事を書かせていただいている、「ムコネットTwinkle Days 命耀ける毎日」に、「風疹の流行とワクチンギャップ」という記事を書かせていただきました。

記事の最後で紹介したように、7月4日(木)に、都心のオフィス街でパレードを行います。
港区六本木の三河台公園に10:30集合です。
神戸大学の岩田健太郎先生が、ご自身のブログで「小さいことでも、できることからやりましょう。田村発言と風疹について」と、行動を呼びかけてくださっています。
岩田先生のように意見を要職に送るもよし、ワクチンパレードに参加するもよし、風疹ワクチンの接種を自ら受けるもよし、風疹の流行に係る情報が掲載されているサイトを知り合いや同僚の方に教えるもよし、懇親の席でさりげなく話題にするもよし、一人一人が自分でできることに取り組むことで、大きな動きが結果として出来上がるのだと思います。
いつ行動するの、今でしょ!です。

さて、風疹対策について、田村憲久厚生労働大臣が記者会見で厚生労働省の見解を述べられています。
田村大臣閣議後記者会見概要

すごく悲しいというか、ショックというか…。
あまりにも私の思い描くものと異なります。

現在の厚生労働省の風疹対策は、
・サイトやポスター、チラシなどで接種を呼びかける
・ワクチン不足が予想されるため、接種対象者を厳選するように都道府県等に「お願い」の文書を送付
・他の疾病の発生に対しても特段の緊急対策をとっていないこととのバランスから、風疹についても、現状以上の対策をとらない
という内容になっています。

この中で、大いに疑問を抱くのが2,3点目です。
1点目は予防接種法の目的に基づけば、自ずととられるであろう策ですが、2,3点目はいくつか考えられる対策の中から、何らかの「判断」により選択されたものとなります。
この「判断」は、一体、いつ誰が下したのでしょうか。

今年の4月1日から試行されている改正予防接種法では、米国のACIPのような役割を担う機関として、「予防接種・ワクチン分科会」を位置付けています。
この分科会で、予防接種施策に係る評価・検討を行い、それに基づき政策判断がなされ、政府・行政が実行する、となるのです。
ところが、この3カ月の間に開催された予防接種・ワクチン分科会とその部会において、風疹対策については殆ど(というか、全く)議論されていません。
すなわち、法に基づき設置した評価・検討組織で議論していない事柄について、どこかで誰かが「判断」を下し、厚生労働省を代表して大臣が披露した、ということなのです。

ワクチンが不足しそうだ、といのなら、ワクチンを確保するという策もあります。
確保が難しいという結論なら、今あるワクチンを最大限に活用する方法を考えるわけですが、その際にも優先順位をつけるのかどうか、つけるならどのような考え方で割り振るのか、という点でいくつかの案が生じます。
疾病の流行を阻止できず、その結果、ワクチンで防ぐことのできる疾病(VPD:Vaccine Preventable Diseases)による健康被害が生じている、という疾病が複数あるのなら、どの疾病にどの程度のリソースを割いて対応するのか、について、いくつもの議論が生じる筈です。
そのようないくつかの想定の中で、何故、今回の厚生労働省の見解が生じたのか、どのような議論と判断が、いつどこでなされたのか、全くもって不透明ですし理解できません。

現在、積極的な勧奨を差し控える扱いとなっているHPVワクチンについても、そもそも、予防接種部会の議論において、何ら話しあってこなかった「任意接種の段階での公費助成」という、一体いつどこでだれがどのような議論に基づき決定したのかわからない結論だけが突然提示され、予防接種部会から大ブーイングが起きたことは、厚生労働省自身が経験していることです。
その際にも、「やはりACIPのような評価・検討組織が必要だ」ということになり、今回の予防接種法改正に盛り込まれたはず。
なのに、全く同じ轍を踏むというのは、理解に苦しみます。

今後開かれる予防接種・ワクチン分科会の親会議と部会で、速やかに議論し意思決定すべき事案であり、その内容に沿って厚生労働省は政策を遂行する、これが法の順守です。
大臣が会見で示した見解は、あくまでも正規の手続きを経ていないものであり、評価・検討組織の意思決定を受け、速やかに撤回し、国民の想いに沿った施策を遂行すべきです。

HPVワクチンの積極的勧奨の中止に関して

昨日の予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と薬事食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議で、HPVワクチンの積極的勧奨を差し控えることが決定されました。
昨夜より多くのメディアがこの事を報じていますが、「積極的な勧奨の中止」を国民がどう受け止めるのか、その結果としてどのような行動変容が起きるのか、注目していかなければならないと思っています。

今回の決定については、評価が難しいなというのが正直なところです。
余りにも様々な事柄が絡み合うものですから、単純に良かった、悪かった、という評価はしにくいです。
ただし、今回の決定に至った議論と結論に持たせた意味を踏まえて行動していくことが関係するすべての人たちに求められますし、これからの取り組み、行動が、今回の決定についての評価を大きく左右するものと思われます。
評価はその段階でなされるべきものではないかな。

今回のHPVワクチンにかかる件は、我が国の予防接種制度にかかる意思決定プロセスの拙さ、各種サーベイランスの不十分さ、国民の予防接種や医療、科学といったものに対する理解不足等がもたらした事柄だと考えています。
もちろん、誰が悪いとかいうものではなく、まさに今、それらの改善を進行形で進めている中で生じてしまったことであります。

4月1日から改正された予防接種法についての議論を中心に進めていた予防接種部会においても、HPVワクチンの取扱いについては混乱がありました。
私も過去にMRICに拙文を投稿し、公費助成にかかる意思決定について、少し嫌味な意見を表明しましたが、
http://medg.jp/mt/2010/09/vol-276.html
今回のような事態は、起こるべくして起きたと言えるかもしれませんし、その遠因はその時に指摘した理不尽さにあるのではないでしょうか。
繰り返してはいけないことのひとつだと思います。

昨日の会議で重視されたように、接種後に健康被害を生じた事例が報告され、そのうち今も回復に至っていない事例があるという事実、そしてそれらの健康被害がワクチンの承認や定期接種化に至る議論の中で殆ど想定されていなかった事態であること、現時点では因果関係の有り無し含めて「わからない」ということが多いと考えられること、などは決して看過すべきものではないでしょう。
選挙区的勧奨が中止されている期間に、これらの課題にどのように対処していくのかが重要です。

予防接種には常にリスクが伴います。
それは、接種するリスクと接種しないリスク、言い換えれば副反応・副作用と、疾病罹患というリスクです。
しばし、リスクとベネフィットの比較とされがちですが、ベネフィットはとらなければ「ゼロ」に過ぎません。
ゼロなら誰もが受け入れやすいのですが、ゼロは無いんですよ、本当は。
一方のリスクをゼロにするなら、もう一方のリスクを受け入れざるを得ない、だからリスクはゼロにはなりません。
昨日の会議の最中、健康被害を生じた方々のことと、予防接種で防げた可能性が高い疾病に罹患した方々のことと、双方のことが頭の中にありました。
果たして機能の議論は、その双方をきちんと意識下において意思決定なされたのか、私は少々疑問を感じています。
そのことで結果が変わったかといえば、そうは思いません。
しかし、そのことを意識しているか否かは、これから先の行動に強く影響します。先にのべたように、今回の決定にかかる評価は、今後の行動如何で変わるものです。
後々、「あの決定は間違いだった」とだけは絶対にして欲しくない、してはいけません。
今回の結論が今後のより良い予防接種環境に資するものであったとなることを強く強く期待します。

最後に、昨日の会議の傍聴は一種、異様な雰囲気でした。
今までには例が無い指定席制度、傍聴者の立入禁止エリアの設定等、前回の会議の最後に起きた出来事への対応策がなされていました。
耳に入ってくる会話も、「推進派」とか「反対派」とか、委員個人への誹謗とか、従来の傍聴経験ではあまり聞いたことが無い会話が多く聞かれました。
こういったことは、すごく頭にきますし、やめていただきたい。
私は予防接種部会時代から傍聴し続けてきました。細菌性髄膜炎から子どもたちを守るワクチンの早期定期接種化をはじめ、予防接種制度の改善を強く求めていたからですが、議論の過程でも決定された事柄でも、大きな失望を抱いたり憤りを感じたりすることは決して少なくありませんでした。
思わず声を上げたくなる気持ちはわかります。
特に、自らがラグ被害や副作用・副反応被害に遭われた方やそのご家族であれば、尚更ですし、そのような方々が思わず感情を発露してしまっても、私はそのことをとがめる気持ちは無いです。
しかし、前回、そして今回と、そうした当事者やご家族では無い人が、場の雰囲気に好ましくない影響を及ぼしたようです。
子どもたちのために、ラグ被害も副作用・副反応被害も可能な限りゼロに近づけて行きたい、どうしても避けられなかったリスクについては速やかな対応による救済を実現していきたい、ということを考えるなら、敵対関係を煽り、当事者を中傷し、委員や事務方を恫喝まがいの行為で委縮させる行為は絶対に避けなければいけない行為です。
真剣に取り組む気持ちと覚悟があるなら、二度とこのような行為は繰り返して欲しくないです。

予防接種に伴う二つのリスク、そのリスクと向き合う上では、推進派も反対派も無いんです。
今回の決定を受けて、二つのリスクに最大公約数で向き合う取り組みがなされることを心から望むものです。

衆議院選挙の結果を受けて

去る12月16日、衆議院選挙の投開票が行われました。

民主党政権への批判が強い中での総選挙でしたので、自民党の勝利、民主党の惨敗はある程度予想されていたものでした。

私はいずれの政党も支持していません。
支持したい政党があれば支持しますが、現在の国政における政党の中に、支持したいと思う政党が無いからです。
同じビジョンを掲げ、しかしそこに至る具体策が異なる、というケース、
異なるビジョンを掲げ、しかしそこに至る(当面の)具体策が(たまたま)一緒、というケース、
前者なら同じ政党の中に混在しても、まあ、ありかなと思いますが、後者が同じ政党の中に混在し同じ看板を掲げていても、支持のしようが無いですから。

一方で、個人として支持する議員は何名かいます(いました)。

この間、予防接種制度の改善を中心に、子どもたちを取り巻く環境の改善を訴えて活動してきました。
残念ながら、政治家にとって、子どもたちに係る政策は、優先順位を低くせざるを得ない場合が少なくありません。
投票率をみると、50代以降の世代と、40代以前の世代とでは、圧倒的に前者の方が高いです。
前者が直面する課題は、高齢者の医療や介護、福祉等の問題であり、50代であれば経済活動の管理職的立場からの諸問題であり、既に「過去のこと」となっている子育て等は優先課題ではありません。
議員も、最終的には票を得て議会に立ち続けなければなりませんから、自ずと、「実際に支援してくれた」という層の要求する課題が優先されます。

「選挙に行っても何も変わらない」
という言葉をしばし耳にしますが、40代以前の有権者の皆さん、投票に行ってその世代の投票率が上がれば、政治家はその世代の要求である、子育て環境の改善や教育・保育等への優先順位を高くすることができるんですよ。
何も変わらないどころか、「大きく変わる」のです。
自分が投票した候補者が受かること、支持した政党が議席を伸ばすことだけが「変わる」事じゃありません。
40代以前の層も、政治に関心を持ち投票するのだ、ということを示すことそのものが「変わる」ことにつながるのです。
夏には参議院選挙がありますから、今回、投票に行かなかった方も、次は是非とも投票してくださいね。

話しが少し横道にそれましたが…

政治家にとっては優先順位を高くし難い「こども」の問題。
この問題に真摯に向き合ってくださった議員が何名かいます。
そして、私はこの方々は、政党を問わず、応援しています。
しかし、残念ながら、何名かの議員が議席を失ってしまいました。

田名部匡代先生、仁木博文先生、福田衣里子先生、加藤紘一先生(そして、同じ選挙区の新人、佐藤丈晴さんも。丈晴さんは市議当時から子どもたちを守る活動に積極的に身を投じてくださった方です)、吉田統彦先生は、希望するすべての子どもたちが無料でワクチン接種を受けられる環境を実現するために、自ら情報を得て学び、問題を正確に理解し、行動してくださった素晴らしい方々です。
これらの先生方が今回、議席を失われたことは極めて遺憾ですし、落選されたとしても、今後も引き続き活動への参加や協力をお願いしていくつもりです。

もちろん、当選された先生もいらっしゃいます。
全ての先生をご紹介はできないのですが、古屋範子先生は、現在の国会議員の中で最も子どもの予防接種問題に造詣が深い議員だと思われます。
古屋先生は見事に当選を果たされました。
今後も子どもたちを取り巻く環境の改善にご尽力いただけることを、強く期待しています。
そして、このような「票にならない」子どものことについて精力的に活動される議員が議席を確保し続けられるような、そんな環境になって欲しいと切に願うものです。

今回の選挙に於いて、私は殆ど何もできませんでした。
子どもたちのために尽力された議員を、より強くバックアップできていればと、忸怩たる思いをぬぐえません。
ただ、票・資金・人、といったものを具体的に提供する、とい支援を考えているわけではありません。
私の考える支援、それは様々な情報の中で埋もれてしまいがちな、議員の下働きともいえる地道な活動を多くの方に知らせること、票につながらないと多くの議員が敬遠し、「風が吹いたら尻馬に乗る」的な便乗議員も少なくない「子ども」に係る諸問題に、真摯に向き合う議員を有権者に知らせること、です。

次の国政選挙は夏の参議院選挙となりそうですが、その際には、
この議員は子どもたちのために、きちんと活動している議員ですよ、というリストを作成して紹介していけないかな、等と考えています。
金も票も人も出さないですが、活動実績はアピールする、そんな支援です。

具体的な個人名を挙げることについて、様々なご意見があるかもしれません。
しかし、ネット選挙が解禁になろうとも、ネームバリューが高かったり豊富な資金を有しているという、ある意味では選挙の本質とは何ら関係のない条件が整っている候補に有利に展開されること自体は、さして変わらないでしょう。
話題性の高い候補の発言、行動がメディアをにぎわせる、このことは致し方のないことです。
であれば、それら「ワイドショー」的なバリューは無いものの大切な情報、この流量を増やすことが必要なのだと思うのです。
原発、消費税、TPP、憲法改正、いずれも大切な話題ではありますが、これら「だけ」でも不十分です。しかし、どうしても話題の候補者はこれらの発言を求められ、また自ら語ります。
これら以外のイシューも大切ですし、その流量を増やし、判断材料にしていく。

このことを、次の国政選挙に向けての課題として取り組んでいきたいと思います。

テーマ : ブログ
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2年目を迎えて

 去る5月5日、「+Action for Children」は発足から丸1年を迎えました。ご支援いただきました皆様に、厚く御礼申し上げます。
 発足から1年、ホームページやブログの更新頻度をご覧いただければ一目瞭然のように、大した活動を展開してきていないのが現状です。やりたいことはあるのだけど…という状況が続いています。一番の要因は私のパワー不足なのですが、こればかりは一朝一夕に改善できるものではないので、徐々に徐々に、力をつけながら活動を発展させていきたいと考えています。

 この一年間、活動してきて感じた事ですが、子どもたちを取り巻く環境は、まだまだ改善すべき点が山積みです。人の世は移ろい続けるものですし、社会環境が変われば、社会が要請するシステムも変わってきます。しかし現実には、社会環境や構造の変化とシステムの変化の間にはラグがあり、このラグに陥って困難な状況に置かれる人が生じます。ラグは必要性が生じそれが社会的に認知され施策として反映されるまでの時間経過であり、決してゼロになるものではありません。
 ただし、ゼロにはならなくても、ラグの期間を短縮する事で、ラグに陥った人々を困難から救済し苦痛を軽減する事ができます。このラグは様々な分野において生じるものなのでしょうが、往々にしてラグが長期化するのは、対象がマイノリティであったり、組織化がなされていない分野だと感じています。言い換えれば、声を挙げても少数派であったり、組織化されていないために声がすくいあげられにくく、為政者のもとに届きにくい層と言えると思います。子どもたちはその層に当てはまりやすい立場であり、ラグに陥りがちです。「+Action for Children」は、そのラグを大人たちが「知り」、どうしたら改善できるのかを「考え」、そして改善に向け「行動する」ことを手助けすることを目的に活動しています。まだまだ拙い組織ですが、多くの皆様の更なるご支援・ご協力をお願いする次第です。

 社会のシステムを変えること、これは私のパワー不足の改善以上に一朝一夕で達せられるものではありません。社会のシステムは何らかの必要性から構築されたものであり、仮に改善が必要とされている状態であっても、その多くは環境の変化に対応せずにいるということであって、もともとの必要性を全否定するべきものではありません(もちろん、必要性そのものが環境の変化によって消失していれば、システムの存在意義も失われているという事にはなりますが)。また、社会システムは個々のシステムが単体で存在しているわけではなく、そのシステムの存在を前提に設計・運用されているシステムもあれば、関連付けながら運用されているシステムもあります。さらに、そのシステムに携わっている生活者の存在があり、これらが密接に関与しあう中で、負の影響をより小さく抑えながら、迅速に改善を成し遂げるための改革を成すという高度な作業が求められます。故に私は「抜本改革」というのは極めて困難で、ましてや「ガラガラポン」というようなスクラップアンドビルドは殆ど不可能だと思っています。

 私が描く「日本がこういう社会になったら良いな」という理想図は、大してユートピアでもなく、結構「現実的な理想図(って変な表現?)」だと思っています。でも、この理想図が実現できる日は、私の目が黒いうちに来るのかな、どうなのかな、というス
パンで考えています。恐らく、そんなもんなんですよ、社会を変えるのって。私の没後に、息子たちや孫たちが、私の活動の成果を実感してくれれば、それが望みうる最速のスパンかな、と。
社会システムを変えるというのは、変えるべき社会システムへの敬意を失う事ではなく、そのシステムを構築し、運用してきた人たちへの感謝と一体であるべきだと考えています。その敬意や感謝を忘れ、強引に社会を変えたところで、それは新たな混乱の幕開けであり、ギスギスした生きにくい社会につながり、結果としてラグが改善しにくい硬直化した社会を生み出すことになるのだと思っています。
 誰も悪者が居なくても、誰の過失が無くても、社会環境や構造の変化からシステムは時代遅れとなり、そのラグに陥る被害者が生じるのです。わかりやすい悪人叩きや安易な御用認定で「(悪いやつらだから)被害を受けたって自業自得」という考えでは、むしろラグが生じている原因を明らかにし本質的な改善策を講じることから世間の目をそらしてしまう事にもなりかねません。確かに、個人の利得を公益より優先しているのではと思われる人物も居ますし、それがラグの拡大に一役買ったことだってあるとは思います。でも、それらは本質からすれば瑣末な小物であって、小物を血祭りに上げるために大騒ぎした
結果、様々なラグが繰り返されてきた現実を忘れてはいけないのだと思います。
 一人ひとりが社会を構成する当事者であるという自覚の上に立ち、どうしたら変化に迅速に対応できるのか、考え行動する、それが結果として膨大な時間を要するとしても、根本的な改善のためには必要不可欠な作業だと感じています。

 そんなこんなで、アクティブに活動する力も無ければ、短期的な成果を上げることも無いと思いますが、「+Action for Children」、2年目に突入します!
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