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充実した学習会でした!「子どもの疾病の早期発見に関する学習会」

9月7日(水)、14:00から衆議院第二議員会館第2会議室で、「子どもの疾病の早期発見に関する学習会」を開催しました。
1週間前に急きょ、開催が決まった学習会で、告知期間も数日だったにもかかわらず、各プレゼンテーターが用意した20名分の資料では足りなくなるほどの盛況ぶりでした。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

当日のプレゼンは、
肝ったママ’s 酒井有理氏
プロピオン酸血症とメチルマロン酸血症患者の会(PA-MMAの会)柏木明子氏
ムコネットTwinkle days 中井まり氏
細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会 吉川恵子氏
の4名のプレゼンテーターにより行われました。
それぞれの持ち時間は15分ほど、非常に短い時間にもかかわらず、皆さん、とても要点を明確に疾病の特徴や課題等をお伝えくださいました。

胆道閉鎖症の早期発見のため、母子健康手帳に「便色カード(うんちカード)」を収載するように求めている酒井氏。
胆道閉鎖症とはどのような疾病なのかという解説から始まり、早期発見の大切さを訴えてくださいました。
現在、神奈川県ではパイロット事業として母子健康手帳の後半部分に「便色カード(うんちカード)」を挟みこんでいます(このこと自体、とても素晴らしいことですよね)。
しかし本当なら、前半部分の政省令により様式が定められているページに収載されるのが望ましいのです。
現在、厚生労働省では母子健康手帳の見直しに着手しています。
9月14日には、第1回目の母子健康手帳に関する検討会が開かれます(傍聴申込はこちらから)。
便色については「灰白色(かいはくしょく、と読むそうです)」と表記して注意を喚起されている現状ですが、実際に胆道閉鎖症を発症されたお子さんの親御さんの目には、「クリーム色」「薄い黄色」「薄い青」等等に見えたとのこと。
文字で表現するよりも、色で示した方が良いことは、親御さんの経験から明らかです。
ちなみに、「便色カード(うんちカード)」を母子健康手帳に収載する場合のコストは10円程度だそうです。
110万の出生時に配布しても1,100万円。
少なくても、予算を理由に実現不可という事業では無いですよね。
また、ヒブや肺炎球菌ワクチンの接種開始時期に当たる2カ月の受診時に、胆道閉鎖症のチェックが行われれば、現状よりも多くのお子さんを救えるということで、小児科の先生方の協力、保護者への啓発なども行われているとのことでした。

先天性代謝異常の早期発見のために、新生児マススクリーニングにタンデムマス法を導入することを求めている柏木氏。
横浜市長との面談から厚生労働省の「タンデムマス法の導入を」という主旨の課長通知発出まで、多大な成果を上げられた活動紹介とともに、タンデムマスにより新生児マススクリーニングがどのように変化するのか、どのような疾病が早期発見できるようになるのか、丁寧に解説してくださいました。
また、早期発見を訴える際に懸念される「発見後のサポート体制」についても、小児科医を中心とした医師をはじめ、患者・家族等のネットワークを組織し、サポート体制の構築を進めている取り組みを披露されました。
タンデムマス法を新生児マススクリーニングに導入するよう、厚生労働省から通知が出てはいますが、実際には導入するかどうかは各都道府県及び政令市の判断になります。
生まれた地域によって、発見される機会に差が生じるのは不本意ですよね。
柏木さんたちは全国での実施を求めて活動されています。
なんか、似た話が予防接種にもあるなぁ、と感じました。
希少疾病だからこそ、ネットワークづくりとそれによるサポート体制が重要ということはしばし指摘されますが、柏木さんはその取り組みを既に実践されています。
学ぶことが多い活動です。

ムコネットTwinkle days 中井まり氏は、息子さんの「ムコ多糖症Ⅱ型」との診断がつくまでの経過やその時の心情、治療薬が承認されてからも早期発見が叶わずに服薬開始が大きく遅れてしまった事例があることなど、穏やかな口調で(その分、とても心に沁み込みました)お話しくださいました。
息子さんの身体に生じた疾病のシグナル。保育所の方、親族の方から、その異常を指摘されてもなかなか下らなかった診断。現実の症状と「異常なし」との医師の見解のはざまで苦悩した日々があること。早期発見の重要性を実感するお話しでした。
また、希少疾病であるがゆえに、かかりつけの医師による早期診断も、現実的には非常に難しいのだろうと感じました。
であるからこそ、早期発見できるように新生児期のスクリーニングにムコ多糖症がふくまれなければなりません。
せっかく治療薬があるのに、その治療薬を使用するべきという判断に行きつくまで時間がかかってしまう現状。
本当にもったいないことですし、子どもたちがかわいそう過ぎる時間だと思います。
現在、使える手段があるのに十分に活用できていない、その改善に有効なシステムがあるのにそれも活用できていない。
これもどこかで繰り返された光景です。

最後に、細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会の吉川氏。
細菌性髄膜炎の解説、特に早期発見・早期治療では子どもたちを救えきれないという限界を説明し、「ワクチンで予防するしかない」という現状を紹介しました。
また、定期接種化を求めてさまざまな活動に取り組んできたことを紹介。
署名、議会請願、首長要請、大臣要請、学習会開催、デモ行進、メディアでの啓発等等、多岐にわたる取り組みを重ねてきたことを報告してくれました。
強調したいのが「無用なをつくらない」という活動の方針。
世の中には、誰かが悪いことをしたから物事が悪化したということばかりではなく、誰もが悪意は無いのに、結果として悪くなったということもあります。
往々にして「悪者探し」「悪者を糾弾する」ことに陥りがちですが、悪者がいないのに悪者を探し、見つけたつもりになってその「悪者」を糾弾したところで、物事の根本的な解決は図れません。
何より、そのことに費やす時間とエネルギーが勿体ない。
このことは、患者会活動のみならず、市民生活の広く全般に言えることだと思います。

そして、会場に駆けつけてくださっていたので司会者の特権(?)として急きょ、CAPS患者・家族の会の嶋津恵美さんにマイクを取っていただきました。
小児の希少疾病でドラッグ・ラグに直面していたCAPS。
「カナキヌマブ」が承認される見通しとなった大きな前進とともに、「他国でも適応が承認されていない」という理由で、なかなか先に進まない未承認薬をいまだに抱えている現状をお話しくださいました。
適応ラグは、本当にやるせないラグです。
だって、国内で薬剤として流通しているのに使えないのですから。
ましてや希少疾病の場合(さらに子どもという条件が加わる)、積極的に適応を取得しようという動きはなかなか望めません。
公的に後押しするか、適応取得というプロセスを経ずに保険で使えるようにするか(米国ではこのルートがあります)。
次回以降、もっとお時間を割いてお話しいただきたいと考えています。

今回の学習会は公明党の古屋範子衆議院議員に会場を確保いただくなど、ご尽力をいただきました。
古屋先生は、予防接種のこと、便色カードのことなど、独自に調べられ国会の場で発言してくださり続けている方です。
今回も閉会中にもかかわらず、地方視察から永田町に戻り駆けつけてくださいました。

多くの方にご参加いただいた今回の学習会。
本当に多くの方々に感謝です。

また次回、多くの方に子どもたちを支える活動に関心を持っていただき、行動に移していただけるような切っ掛けとなる規格を催したいと考えています。
皆様のご協力をお願いいたします。
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