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PhRMAシンポジウム「日本の新しいワクチン政策の創出 近年の進展と世界のベストプラクティス」

5月17日、ザ・キャピトルホテル東急で、PhRMA(米国研究製薬工業協会)主催のシンポジウム「日本の新しいワクチン政策の創出 近年の進展と世界のベストプラクティス」が開かれました。

シンポジストは登壇順に、
スタンレー・A・プロトキン博士(ペンシルバニア大学名誉教授、ジョンズ・ホプキンズ大学非常勤講師)
デービッド・ソールスベリー教授(英国保健省予防接種部長)
中野恵氏(厚生労働省健康局 予防接種制度改革推進室次長)
岡部信彦博士(国立感染症研究所感染症情報センター センター長)
そして、
高畑紀一(私)、
でした。

講演内容は、

プロトキン博士が「米国ではどのように国民の予防接種を行っているか」と題し、米国の予防接種における政策決定のプロセスと、その中で重要な役割を果たすACIPの解説、推奨している予防接種の内容(接種時期、接種率等)のデータに基づく解説、接種に係る資金調達の状況、ワクチンの安全性評価について話されました。

ソールスベリー教授は、「The UK immunisation programme and the introduction of new vaccines」と題し、英国の予防接種システムの紹介と、意思決定における「JCVI(joint Committee on Vaccination and Immunisation)」の役割や構成、運営内容などを解説され、その上で、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、HPVワクチンの導入とその経過・現状などを紹介されました。

中野氏は「予防接種政策の現状と今後」と題し、予防接種法の解説と改正の歴史、予防接種制度改革の現状とあゆみ、3ワクチンの費用助成の状況、ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチンの接種一時見合わせとその再開に係る解説、予防接種部会の議論の現状と検討課題についてお話されました。

岡部博士は「我が国の予防接種に関する今後の展望-Hib,PCV7ワクチンの一時中止から再開へ-」と題し、我が国の予防接種制度と予防接種の現状、予防接種部会を中心とした今後議論が必要となる課題を解説し、Hib,PCV7ワクチンの一時中止から再開に至る経過と検討された内容を報告、それらから導き出される課題を提起されました。

高畑(私)からは、「我が国のワクチン政策への認識」と題し、我が国がワクチン後進国となった理由として、接種を受ける側の無関心・無自覚が行政や政治の不作為を生み出しているとの考えを述べさせていただき、一人の保護者としての自らの反省をもとに、接種を受ける側の関心を高め自覚を持つためにも啓発等の重要性を述べました。

講演後はパネルディスカッションが行われ、モデレータの宮田満氏(日経BP社 医療局主任編集委員)のが様々な興味深い発言を引き出してくれました。

米国、英国とも、我が国よりも充実した予防接種が行われており、意思決定の組織・プロセスも整備されています。
しかし、両国ともその背景にある歴史やポリシーは異なっており、法体系や財源、国民への啓発アプローチ等、全くといっていいほど別物です。
双方の現状において優劣の比較は成り立たず、それぞれの歴史や文化、国民性によりベストマッチな内容は異なるのだと改めて実感しました。

日米英の予防接種施策を司るトップの立場の専門家が集ったシンポジウムに、私のような「素人」の「一保護者」が登壇させていただけたことが、とても画期的です。
米国のACIP、英国のJCVIともに、捕らえ方の差こそあれ、接種を受ける立場の代表が参加しています。他方、我が国では「接種を受ける立場の代表」が政策決定に参加することはほとんど無く、例えば予防接種部会では専門家や接種をする側(医師・行政)、法律家、ジャーナリストの委員はいますが、接種を受ける側の素人はいません。
予防接種制度は誰もが当事者となる非常に大きな施策であり、そのステークホルダーとして最もボリュームを持つのが、「接種を受ける立場」です。
この「接種を受ける立場」の素人が、このような場に参加できるようになりつつある現状が、素直に嬉しかったです。

また、最初の登壇者であるプロトキン博士が、講演の冒頭に、日本語で東日本大震災で被災された方々へのお悔やみとお見舞いを述べられ、復興へのメッセージを寄せてくださいました。
事前の打ち合わせでも、そのようなスピーチを用意されていることをお話されていなかったので、私はとても驚き、そしてとてもありがたい気持ちでいっぱいでした。
さらに、故・神谷齊先生への哀悼の意を表され、神谷先生を偲ぶお気持ちを話されました。
神谷先生のご葬儀でも、プロトキン博士のメッセージが紹介されていたのですが、こののスピーチも事前には知らされていないサプライズであり、プロトキン博士の神谷先生に対する想いがあふれていて、思わず目頭が熱くなりました。

会場の関係で最後は若干、ばたばたした感じになりましたが、とても有意義で充実したシンポジウムだったと思います。

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