流行の先の対策

こんにちは、Plus Action for Children の高畑です。

麻疹(はしか)の流行を報じるニュースが相次いでいます。
海外から持ち込まれた麻疹の沖縄での流行に始まり、東京都内でも感染が報告されています。

我が国は麻疹の排除国ではありますが、社会全体として十分な抗体を有しているとは言えないのが現実です。
いったん海外から持ち込まれたら流行してしまうのではないかという危険性は、専門家の間では以前より為されていました。
しかし、目の前で流行してもいない感染症への関心は高くなく、本来であればワクチン接種による抗体獲得が必要な人たちがまだまだ数多く存在するにもかかわらず、十分な対策を講じきることができずに今回の流行を生じてしまったものです。

現在、ワクチン接種を希望する方が多数に上っているそうで、現実的にはワクチンによる接種が効果的であり、それは望ましい状況ではあるのですが新たな問題も生じています。

それはワクチン不足です。
一度に多数の方が接種を希望する、需要が高まったことに対し供給が不足しているのですね。
これは麻疹に限らず、他の感染症でも起きることで、直近ではこの冬のインフルエンザワクチン不足が記憶に新しいです(製造そのものにも問題があったものですが)。
以前、都内の大学等で麻疹が流行した時も、接種者希望者が急増したためにワクチンが足りない、という状況を生じていました。
ヒブワクチンの導入時期は、ヒブ感染症の流行等によるものではありませんが、それまで打つことができなかったヒブワクチンが国内で承認・販売されたために接種希望者が殺到、製造過程のトラブルで輸入が一時的に滞ったこともあり大幅なワクチン不足に陥ったこともあります。

このように、ワクチンは需要が急激に高まるとそれなりの確率で供給不足に陥り、接種したくても接種できないという状況になりやすいものであります。
これはワクチンの供給のあり方や製造過程そのものが抱える特性によるところが大きく、今すぐに「需要の増大にびくともしない供給体制」を確保することはなかなか難しいといえます。
ワクチンはその製造に短くても数か月単位の期間を要するため、感染症の流行等で需要が増大しても、それを賄うだけの供給増をリアルタイムで望むことはできません。
また、使用できる期間も限られているため、大量に生産しておいて備蓄するというのも難しいでしょう。
使用する場面は平常時の予防接種に限定されますから、最初から製造量は予測される接種対象者数に最適化された数に抑えられます。
つまり、余剰分を大量に確保することもできず、備蓄もできず、急な増産もできない、という硬直性の塊なのです。

こうしたワクチンを上手に使うためには、やはり流行時に緊急対応として予防接種するのではなく、日ごろから接種すべき対象者が計画的に接種を受けておく、という対応が大切です。
定期接種の対象者は確実に接種を受けておく、麻疹や風疹であれば過去の接種制度の変遷などの中で十分な接種機会を与えられずに必要な接種を受けられなかった層に接種してもらう、そのためにもそうした対象者が接種を受けやすくする助成制度の創設や情報提供を行う、そうしたことが必要なのだと思います。

現在は麻疹の流行期にあり、臨時的・緊急的な対応が求められる局面です。
しかし、そうした時期を過ぎ、「あー、ピークは過ぎた」で思考と行動をストップしてしまっては同じことを繰り返すことにつながってしまいます。
流行の先に必要となる対策を、今回の流行を二度と繰り返さないという思いのもと、講じる社会であることを強く望みます。
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