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予防接種制度改革~残るは政治の領域~

1月27日、厚生労働、財務、総務の3大臣による折衝が行われ、2013年度からヒブ、小児用肺炎球菌、HPV(ヒトパピローマウイルス)の3ワクチンを定期接種とすること、その費用の9割を公費負担とすること等が確認されたとの報道がなされました。
29日には各地方自治体宛に厚生労働省並びに総務省から、「9割公費負担」に係る事務連絡が発出されました。
これらの内容からわかることは、

・ヒブ、小児用肺炎球菌、HPVが定期接種となること
・新たに追加する3ワクチンを加えた全ての定期接種の費用の9割を公費負担とすること
・9割の公費負担は、普通交付税措置を講じることで実現すること

です。
「9割公費負担」の中身は、住民税年少扶養控除廃止による増税分を予防接種の財源にあて、それでも予防接種費用の9割に満たない部分を地方交付税で補う、というもの。
これを「9割公費負担」と呼ぶのが妥当なのかどうか、疑問を抱かれる方も少なくないと思われますが、本文ではこの点には触れません。
寧ろ、本来であればその使途は各自治体の裁量に委ねられる年少扶養控除廃止による増税分を、予防接種費用に充てるとしたこと、また9割に満たない部分とはいえ地方交付税の額自体は増えるであろうことが予想されること、新たな3ワクチンだけでは無く、従来からの定期接種にかかる費用も「9割公費負担」の対象としていること等、行政の裁量として最大限の「ギリギリ」の線で決着したことに驚きを感じています。
この大きな決断のために、冒頭の3大臣の折衝が不可欠であったのでしょう。
ある意味、立法府では無い行政が、現行の枠組みの中で発揮しうる、最大限の裁量を発揮したと評価すべきでしょう。

ただし、このスキームは、あくまでも現行の制度内での策に過ぎません。
厚生労働省の予防接種部会が定期接種化することが望ましいとした、水痘、ムンプス、B型肝炎、成人の肺炎球菌の4つのワクチンや、保護者の希望が高まっているロタウイルスワクチンの定期接種化にまで、対応できるとは思えません。
これらのワクチンの定期接種化を実現しなければ、ワクチン後進国脱却は成しえません。
行政の裁量の枠内で講じ得る策を超える対応が、不可欠です。

【政治に残された課題その1:財源確保策】
今回の9割公費負担を支える前提は「年少扶養控除の廃止分による増税分」を予防接種の費用に充てることにあります。
しかし、この増税分は額が経年的に増加する性質のものでは無く、新たなワクチンの定期接種化に伴う予算増には対応できないでしょう。
9割に満たない部分を補てんする地方交付税についても、使途が限定された「ひもつき」のお金では無く、また、ひっ迫する国及び地方自治体の財政状況なども勘案すると、予算増に対応しきれるとは予想しがたいです。
そもそも、地方交付税不交付団体では「9割公費負担」は何ら保障されるものでは無く、「年少扶養控除の廃止分による増税分を予防接種費用に充てなさい」といわれているに過ぎません。
一部では年少扶養控除の復活という動きもあるとの話があり、その場合にはこれらの前提そのものが崩れ去ってしまいます。
到底、今回のスキームが予防接種の財源として最適だとは言えないでしょう。
そこで、定期接種の費用の確保策を講じる必要があるのですが、私の私見では、次の2つ
にその策は絞られてくると考えています。

1.全額、国の負担とする(国の直轄事業とする)
2.健康保険の給付とする

今回、この二つの策についての説明は敢えて省きますが、いずれの策をとるにしても、いずれかの法改正は避けられないものです。
「1」であれば実施主体を地方自治体では無く国の事業とする「大政奉還」が必要となりますし、「2」であれば各保険者の説得はもちろんのこと、予防を健康保険の給付とするという健康保険制度の大幅な方向転換が必要となります(個人的には、ニコチン依存症管理、肺血栓塞栓症予防管理、生活習慣病管理等の保険適用があるのだから、既に予防が健康保険の給付となっている面があると考えています)。
保険給付では無くても、メタボ健診の様に保険者の義務としての事業に位置付ける方策もあると思われますが、これも法による対応が不可欠です。
法改正は立法府の仕事であり、定期接種の費用の確保策がこれらのいずれかしかないとすれば、財源確保は立法府、つまりは国会の仕事であり政治家の仕事である、ということになります。
行政府の裁量における財源確保策では限界があることは、今回のスキームをみるまでもなく明らかだったものであり、国会は速やかにこの課題に取り組み答えを出す必要があると考えます。

【政治に残された課題その2:日本版ACIP】
今回の「3ワクチン」という優先順位、そして、予防接種部会の議論におけるロタウイルスワクチンの位置付けから、我が国における日本版ACIPというべき評価・検討組織の不在の影響が伺えます。
現在、予防接種部会を発展改組して、評価検討組織のスタートとする方向での議論が予防接種部会で進められています(4月以降、審議会となります)。
これ自体は、現状からみればひとつの前進ではありますが、しかしながらその役割が限定的なものに留まるであろうことも十二分に予想されます。
その一つの証左が、「3ワクチンが優先」という今回の予防接種改正法案の内容です。
3ワクチンが優先される理由は、他の4ワクチンよりも医学的な優先度が高いからではありません。既に公費負担により全国的に多くの自治体が無料で接種している実態が優先されているのです。
予防接種部会の提言内容からもそのことは明らかです。
そして、3つと4つぶワクチンを分けざるを得ない最大の理由、それは「財源」に他ならないでしょう。
要は、財源が確保できないから、3つが優先されているに過ぎないのです。
予防接種部会は厚生労働省内の審議会に設置された部会であり、財務省や総務省の管轄する領域にまで踏み込む権限は有していません。
このため、財源の確保策に踏み込むことができず、厚生労働行政の裁量の枠内でしか予防接種制度改革を推進できないという限界を呈しているといえます。

また、評価・検討組織不在であるが故に、ロタウイルスワクチンの優先度評価が7つのワクチンより低いものとなっています。
現在の優先度評価のもととなっているのは、2年以上前に故・神谷齋先生を中心に取りまとめた「ファクトシート」です(今振り返っても本当に素晴らしい仕事であったと思います)。
残念ながら、当時はロタウイルスワクチンは市場に登場していませんでした。
しかし、その後にロタウイルスワクチンが登場し、接種実績の蓄積も順調に進んでいるにも拘らず、本格的な評価の対象となったのはごく最近のことです。
つまり、評価・検討組織が無いが故に、ロタウイルスワクチンが評価・検討の対象として取り上げられない時間が長時間続いてしまった、という結果が現在の優先度評価の低さにつながっているといえます。
今後、新たなワクチンが登場するたびに、同様のラグが繰り返されることが予想されるものであり、評価・検討組織の構築は喫緊の課題であるといえるでしょう。

【残るは政治の領域】
今回の3大臣折衝が不可欠であったように、現行の予防接種は総務・財務・厚生労働の3つの省にまたがる事業となっています。
この枠組みを変えないのであれば、評価・検討組織がその役割を十分に発揮するためには設置場所は3省の外側に設けなければいけません。
現状の予防接種部会を発展改組するのでは、評価・検討組織に期待される役割は十分に発揮できないでしょう。この事は、期せずして今回の予防接種法改正案が示した限界からも明らかです。
3省の外に組織を作るとなると、これもまた行政の裁量を超えた政治が果たすべき仕事となります。
逆に、現在の厚生労働省内に評価・検討組織を置いたままでその期待される役割を十二分に発揮させる為には、現在の3省にまたがる予防接種事業を厚生労働省に集約しなければなりません。
実施は市町村では無く国の直轄とする、財源は健康保険給付とする、といった厚生労働省内でほぼ完結する事業としなければならないのです。
しかし、3省にまたがる予防接種事業の在り方を変えていくのも、これまた政治が取り組まなければ成しえない領域です。

評価・検討組織の構築と財源の確保、このふたつは予防接種制度改革を実りあるものとし、ワクチン後進国の汚名を返上するため残された大きな課題です。
そして、この課題に取り組み答えを提示できるのは、政治です。
課題を解消しなければ、常に更新されていく感染症とワクチン・予防接種の世界からは取り残され、ワクチンギャップの解消は望めません。
専門家はワクチンの有用性・安全性を評価し、臨床医は患者への安全な接種と啓発、メディアや患者団体・市民団体も情報提供、啓発に努め、行政も持てる裁量の中で可能な限りの対応をとってきました。
残されているのは、政治の場での議論と速やかな決断です。
自民党政権に、大いに期待しています。

衆議院選挙の結果を受けて

去る12月16日、衆議院選挙の投開票が行われました。

民主党政権への批判が強い中での総選挙でしたので、自民党の勝利、民主党の惨敗はある程度予想されていたものでした。

私はいずれの政党も支持していません。
支持したい政党があれば支持しますが、現在の国政における政党の中に、支持したいと思う政党が無いからです。
同じビジョンを掲げ、しかしそこに至る具体策が異なる、というケース、
異なるビジョンを掲げ、しかしそこに至る(当面の)具体策が(たまたま)一緒、というケース、
前者なら同じ政党の中に混在しても、まあ、ありかなと思いますが、後者が同じ政党の中に混在し同じ看板を掲げていても、支持のしようが無いですから。

一方で、個人として支持する議員は何名かいます(いました)。

この間、予防接種制度の改善を中心に、子どもたちを取り巻く環境の改善を訴えて活動してきました。
残念ながら、政治家にとって、子どもたちに係る政策は、優先順位を低くせざるを得ない場合が少なくありません。
投票率をみると、50代以降の世代と、40代以前の世代とでは、圧倒的に前者の方が高いです。
前者が直面する課題は、高齢者の医療や介護、福祉等の問題であり、50代であれば経済活動の管理職的立場からの諸問題であり、既に「過去のこと」となっている子育て等は優先課題ではありません。
議員も、最終的には票を得て議会に立ち続けなければなりませんから、自ずと、「実際に支援してくれた」という層の要求する課題が優先されます。

「選挙に行っても何も変わらない」
という言葉をしばし耳にしますが、40代以前の有権者の皆さん、投票に行ってその世代の投票率が上がれば、政治家はその世代の要求である、子育て環境の改善や教育・保育等への優先順位を高くすることができるんですよ。
何も変わらないどころか、「大きく変わる」のです。
自分が投票した候補者が受かること、支持した政党が議席を伸ばすことだけが「変わる」事じゃありません。
40代以前の層も、政治に関心を持ち投票するのだ、ということを示すことそのものが「変わる」ことにつながるのです。
夏には参議院選挙がありますから、今回、投票に行かなかった方も、次は是非とも投票してくださいね。

話しが少し横道にそれましたが…

政治家にとっては優先順位を高くし難い「こども」の問題。
この問題に真摯に向き合ってくださった議員が何名かいます。
そして、私はこの方々は、政党を問わず、応援しています。
しかし、残念ながら、何名かの議員が議席を失ってしまいました。

田名部匡代先生、仁木博文先生、福田衣里子先生、加藤紘一先生(そして、同じ選挙区の新人、佐藤丈晴さんも。丈晴さんは市議当時から子どもたちを守る活動に積極的に身を投じてくださった方です)、吉田統彦先生は、希望するすべての子どもたちが無料でワクチン接種を受けられる環境を実現するために、自ら情報を得て学び、問題を正確に理解し、行動してくださった素晴らしい方々です。
これらの先生方が今回、議席を失われたことは極めて遺憾ですし、落選されたとしても、今後も引き続き活動への参加や協力をお願いしていくつもりです。

もちろん、当選された先生もいらっしゃいます。
全ての先生をご紹介はできないのですが、古屋範子先生は、現在の国会議員の中で最も子どもの予防接種問題に造詣が深い議員だと思われます。
古屋先生は見事に当選を果たされました。
今後も子どもたちを取り巻く環境の改善にご尽力いただけることを、強く期待しています。
そして、このような「票にならない」子どものことについて精力的に活動される議員が議席を確保し続けられるような、そんな環境になって欲しいと切に願うものです。

今回の選挙に於いて、私は殆ど何もできませんでした。
子どもたちのために尽力された議員を、より強くバックアップできていればと、忸怩たる思いをぬぐえません。
ただ、票・資金・人、といったものを具体的に提供する、とい支援を考えているわけではありません。
私の考える支援、それは様々な情報の中で埋もれてしまいがちな、議員の下働きともいえる地道な活動を多くの方に知らせること、票につながらないと多くの議員が敬遠し、「風が吹いたら尻馬に乗る」的な便乗議員も少なくない「子ども」に係る諸問題に、真摯に向き合う議員を有権者に知らせること、です。

次の国政選挙は夏の参議院選挙となりそうですが、その際には、
この議員は子どもたちのために、きちんと活動している議員ですよ、というリストを作成して紹介していけないかな、等と考えています。
金も票も人も出さないですが、活動実績はアピールする、そんな支援です。

具体的な個人名を挙げることについて、様々なご意見があるかもしれません。
しかし、ネット選挙が解禁になろうとも、ネームバリューが高かったり豊富な資金を有しているという、ある意味では選挙の本質とは何ら関係のない条件が整っている候補に有利に展開されること自体は、さして変わらないでしょう。
話題性の高い候補の発言、行動がメディアをにぎわせる、このことは致し方のないことです。
であれば、それら「ワイドショー」的なバリューは無いものの大切な情報、この流量を増やすことが必要なのだと思うのです。
原発、消費税、TPP、憲法改正、いずれも大切な話題ではありますが、これら「だけ」でも不十分です。しかし、どうしても話題の候補者はこれらの発言を求められ、また自ら語ります。
これら以外のイシューも大切ですし、その流量を増やし、判断材料にしていく。

このことを、次の国政選挙に向けての課題として取り組んでいきたいと思います。

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衆議院第一議員会館で開かれた予防接種法改正に関する勉強会のご報告

11月5日、衆議院第一議員会館第三会議室で、「VPD(ワクチンで防げる病気)から子どもたちを守るための予防接種法改正に関する勉強会」が開かれました。
「NPO法人 VPDを知って、子どもを守ろうの会」と「希望するすべての子どもにワクチンを」実行委員会の共催によるもので、+Action for Childrenも同実行委員会の一団体として参加しました。
なお、会場確保や案内等、先般の厚生労働大臣要請に引き続き、民主党の田名部匡代衆議院議員とスタッフの方々に多大なご支援を頂きましたことを、併せて報告いたします。

当日の内容は下記のもの。
(プログラムより)
 16:00 開会挨拶
 16:05 要望書の提出について
   高畑 紀一(+ Action for Children 代表)
 16:10 調査報告~東京都にみる公費助成額と接種率の関係~
   森田 亮介(東京保険医協会事務局)
 16:30 今、予防接種法改正が必要な理由~経済、地域、情報の格差をなくし、全ての子どもたちを守るために
   薗部 友良(NPO法人 VPDを知って、子どもを守ろうの会理事長、日本赤十字社医療センター小児科顧問)
 17:10 質疑応答

冒頭、田名部匡代議員に挨拶を頂き、開会。

高畑より、先般の三井厚生労働大臣との面談及び要望書提出についてごくごく簡単に報告した後、東京保険医協会の森田氏より、ヒブ、小児用肺炎球菌、HPVワクチンの東京都内の接種費用助成状況と接種回数に関する調査結果が報告されました。
森田氏の報告から、無料でこれらのワクチンを接種できる自治体と数千円の費用負担を要する自治体との間には有意に接種回数に差が認められること、とりわけ接種回数が複数回となる0歳児ではこの傾向がより顕著であること等が明らかとなりました。
VPD感染リスクが最も高く、ワクチンで守ることが極めて重要である0歳児の接種状況に大きな影響を及ぼす保護者の自己負担。
やはり全ての子どもたちが無料で接種を受けられることが、予防接種制度には必要不可欠な条件であると思われます。

続いて薗部友良先生が予防接種の基本や接種後の健康被害の考え方等を解説、その上で望ましい予防接種制度を提言してくださいました。
学習会には多くのメディアの方も参加されていたため、メディアの方へ、正確な情報、詳細な情報の提供を強く訴えられていました。
予防接種はゼロリスクではありません。
また、「無いことの証明」が不可能であることからも、接種後の健康被害が予防接種との時間的前後関係を持ってみられることも避けられないことです。
接種後の健康被害について、正確に報告されること、報告を受けてメディアが報じることは、当然のことです。
一方で、接種しないリスク、すなわち、VPDに罹患するリスクについても、保護者に対し情報提供がなされなければなりません。
なぜなら、予防接種は接種するリスクとしないリスクを天秤にかけ、判断するものだからです。
薗部先生は、充実した報告制度とその適切な運営等にも言及してくださいました。

また真の副反応とは何かという事も丁寧に噛み砕きながら示され、健康被害や真の副反応被害を分析し正確に把握することが、最終的には予防接種の安全性を証明することになる、と強調されました。

講演終了後は質疑応答が行われ、終了後も個別に質疑やディスカッションする姿が見られました。

なお、当日は議員、秘書、メディアの方々を中心に、一般参加の方も含め30名が参加しました。
国会議員では田名部匡代先生、田村智子先生、牧山ひろえ先生、西村まさみ先生、姫井由美子先生が参加。
また、世田谷区議の佐藤美樹議員も参加されました。

開催決定が大臣要請後の先週木曜日、実質金曜日からの広報となり、私自身は当日にfacebookで知らせるという状況。
本当にバタバタし、関係者の皆様、参加者の皆様にはご迷惑をお掛けしました。

最後に、大臣要請に続き準備や当日の対応等、ご奮闘いただいたVPDを知って、子どもを守ろうの会の事務局・中井さん、希望するすべての子どもにワクチンを実行委員長の吉川さん、本当にお疲れ様でした。感謝感謝です

三井辨雄厚生労働大臣に要望書を提出しました

 10月30日(火)、+Action for Childrenは三井辨雄厚生労働大臣と厚生労働大臣室で面会し、「NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会」、「ムコネット Twinkle Days」、「ポリオの会」、「一般社団法人 細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」、「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会・支援ネットちば」、「先天性代謝異常症の子どもを守る会」、「胆道閉鎖症・乳幼児肝疾患 母の会『肝ったママ’s』」と共同で、「VPD(ワクチンで防げる病気)から子どもたちを守るための予防接種法改正に関する要望書」を提出、予防接種法改正の早期実現を要請しました。この要請は、田名部匡代衆議院議員(民主党)の紹介により実現したもので、田名部議員は、同じく民主党の仁木博文衆議院議員とともに大臣要請に同席してくださいました。
 11時45分から始まった面会では、冒頭、「NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会」理事長の薗部友良先生が、要望の主旨を説明し大臣に要望書を提出。また、日本小児科医会から託された同様の主旨の要望書も手渡しました。薗部先生の趣旨説明に続き、小児科医の細部千晴先生が、ご自身が理事を務められる東京保険医協会の調査結果等をもとに、都内でヒブ、小児用肺炎球菌、HPV(ヒトパピローマウイルス)の3ワクチンの接種において数千円の自己負担を徴収している区と、無料で接種できる区市の接種率等への影響を紹介し、格差無き接種環境の構築には全ての子どもたちが無料でワクチン接種を受けられる環境整備が不可欠と訴えました。続いて細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会副代表で佛教大学教授の武内一先生が、ワクチン接種後の有害事象報告について資料を手に解説。乳幼児突然死症候群(SIDS)の発生頻度などを紹介しながら、冷静な分析と適切な対応の必要性を強調しました。患者会の賛同団体からは、「(VPD罹患という)つらい思いをこれ以上子どもたちに繰り返して欲しくない」「一日も早い定期接種を」等、切実な声が寄せられました。
 これに対し三井厚生労働大臣は、要望に理解を示すとともに、法案提出に前向きな姿勢を示しました。同席した仁木博文衆議院議員は「政局で左右される案件では無い。このような国民の思いに手を差し伸べるのが民主党政権だったはず」とし、田名部匡代衆議院議員は民主党政権成立後、長妻昭・小宮山洋子厚生労働大臣への要請を重ねてきた経緯を踏まえ、「こうして皆さんに何度も足を運ばせてしまうことが本当に申し訳ない」とし、仁木議員とともに予防接種体制の充実を速やかに実現すべきとの考えを示しました。また、正林督章結核感染症課長も、要望に応えるべく予防接種法改正に臨む旨の決意を表明されました。

 面会終了後は厚生労働省内で記者会見を開き、要請の内容や大臣の反応などを報告するとともに、VPD被害の現状や予防接種によるVPD予防の実態等、保護者が予防接種に際し判断のもととできる情報提供等をメディアの方々に要望しました。また、賛同団体のひとつ、ムコネット Twinkle Daysの中井麻里代表は「難病を抱えている子どもたちの中には、予防接種を受けられない子どももいる。皆が予防接種を受けることで、やむを得ず予防接種を受けられない子どもたちをVPD守って欲しい」と訴えました。
会見終了後も個別に取材に対応する姿が見られ、メディアの方々の関心の高さがうかがわれました。なお、当日の様子は「キャリアブレイン」や「じほう」等がいち早く報じるとともに、TBSNEWSiで放映されました。

 今回の要請は、先行きの見えない国会情勢の中、予防接種法改正案の上程・審議・成立の姿が一向に見えてこないことに危機感を募らせた有志が、「今一度、大臣にお目にかかって法案成立を養成しよう」と考えたことから始まりました。中心となったのは「希望するすべての子どもたちにワクチンを」パレードの吉川恵子実行委員長と「VPDを知って、子どもを守ろうの会」の薗部友良先生をはじめとする理事と事務局の方々。要望書の作成、賛同団体からの意見集約、日程調整、メディアへの取材依頼等、短期間のうちにまとめ上げてくれました。

 私の長男がヒブによる細菌性髄膜炎に罹患してから既に8年が経過しています。あの当時、世界の標準は「ヒブ感染症はヒブワクチンで防ぐ」であり、日本以外の諸外国の殆どが無料でヒブワクチンを接種できる状況にありました。一方、我が国では未だに定期接種に位置付けられず、費用助成制度が拡充されてきましたが、それでも東京23区に代表されるように無料で接種を受けられない地域もあり、そのことが子どもたちを接種が受けられない状況に置き続けています。
 厚生労働省の予防接種部会では、既にヒブワクチンをはじめとする7つのワクチンの定期接種化を提言しています。後は、法案に書き込み実施するだけの状況です。実現までに時間をかければかけるほど、ワクチンで防げる疾病に罹患し、つらい思いをしたり後遺症を残したり、命を失ってしまう子どもたちが生じ続けます。仁木議員が「不作為による被害」と指摘された通り、私たち大人の不作為による犠牲を子どもたちに強いることに他なりません。
 希望するすべての子どもたちが無料で予防接種を受けられるように、そしてVPDから守られるように、私たち大人が協力して一日も早く子どもたちを守れる環境を整えなくてはいけないものと考えます

2年目を迎えて

 去る5月5日、「+Action for Children」は発足から丸1年を迎えました。ご支援いただきました皆様に、厚く御礼申し上げます。
 発足から1年、ホームページやブログの更新頻度をご覧いただければ一目瞭然のように、大した活動を展開してきていないのが現状です。やりたいことはあるのだけど…という状況が続いています。一番の要因は私のパワー不足なのですが、こればかりは一朝一夕に改善できるものではないので、徐々に徐々に、力をつけながら活動を発展させていきたいと考えています。

 この一年間、活動してきて感じた事ですが、子どもたちを取り巻く環境は、まだまだ改善すべき点が山積みです。人の世は移ろい続けるものですし、社会環境が変われば、社会が要請するシステムも変わってきます。しかし現実には、社会環境や構造の変化とシステムの変化の間にはラグがあり、このラグに陥って困難な状況に置かれる人が生じます。ラグは必要性が生じそれが社会的に認知され施策として反映されるまでの時間経過であり、決してゼロになるものではありません。
 ただし、ゼロにはならなくても、ラグの期間を短縮する事で、ラグに陥った人々を困難から救済し苦痛を軽減する事ができます。このラグは様々な分野において生じるものなのでしょうが、往々にしてラグが長期化するのは、対象がマイノリティであったり、組織化がなされていない分野だと感じています。言い換えれば、声を挙げても少数派であったり、組織化されていないために声がすくいあげられにくく、為政者のもとに届きにくい層と言えると思います。子どもたちはその層に当てはまりやすい立場であり、ラグに陥りがちです。「+Action for Children」は、そのラグを大人たちが「知り」、どうしたら改善できるのかを「考え」、そして改善に向け「行動する」ことを手助けすることを目的に活動しています。まだまだ拙い組織ですが、多くの皆様の更なるご支援・ご協力をお願いする次第です。

 社会のシステムを変えること、これは私のパワー不足の改善以上に一朝一夕で達せられるものではありません。社会のシステムは何らかの必要性から構築されたものであり、仮に改善が必要とされている状態であっても、その多くは環境の変化に対応せずにいるということであって、もともとの必要性を全否定するべきものではありません(もちろん、必要性そのものが環境の変化によって消失していれば、システムの存在意義も失われているという事にはなりますが)。また、社会システムは個々のシステムが単体で存在しているわけではなく、そのシステムの存在を前提に設計・運用されているシステムもあれば、関連付けながら運用されているシステムもあります。さらに、そのシステムに携わっている生活者の存在があり、これらが密接に関与しあう中で、負の影響をより小さく抑えながら、迅速に改善を成し遂げるための改革を成すという高度な作業が求められます。故に私は「抜本改革」というのは極めて困難で、ましてや「ガラガラポン」というようなスクラップアンドビルドは殆ど不可能だと思っています。

 私が描く「日本がこういう社会になったら良いな」という理想図は、大してユートピアでもなく、結構「現実的な理想図(って変な表現?)」だと思っています。でも、この理想図が実現できる日は、私の目が黒いうちに来るのかな、どうなのかな、というス
パンで考えています。恐らく、そんなもんなんですよ、社会を変えるのって。私の没後に、息子たちや孫たちが、私の活動の成果を実感してくれれば、それが望みうる最速のスパンかな、と。
社会システムを変えるというのは、変えるべき社会システムへの敬意を失う事ではなく、そのシステムを構築し、運用してきた人たちへの感謝と一体であるべきだと考えています。その敬意や感謝を忘れ、強引に社会を変えたところで、それは新たな混乱の幕開けであり、ギスギスした生きにくい社会につながり、結果としてラグが改善しにくい硬直化した社会を生み出すことになるのだと思っています。
 誰も悪者が居なくても、誰の過失が無くても、社会環境や構造の変化からシステムは時代遅れとなり、そのラグに陥る被害者が生じるのです。わかりやすい悪人叩きや安易な御用認定で「(悪いやつらだから)被害を受けたって自業自得」という考えでは、むしろラグが生じている原因を明らかにし本質的な改善策を講じることから世間の目をそらしてしまう事にもなりかねません。確かに、個人の利得を公益より優先しているのではと思われる人物も居ますし、それがラグの拡大に一役買ったことだってあるとは思います。でも、それらは本質からすれば瑣末な小物であって、小物を血祭りに上げるために大騒ぎした
結果、様々なラグが繰り返されてきた現実を忘れてはいけないのだと思います。
 一人ひとりが社会を構成する当事者であるという自覚の上に立ち、どうしたら変化に迅速に対応できるのか、考え行動する、それが結果として膨大な時間を要するとしても、根本的な改善のためには必要不可欠な作業だと感じています。

 そんなこんなで、アクティブに活動する力も無ければ、短期的な成果を上げることも無いと思いますが、「+Action for Children」、2年目に突入します!
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